この花はハイカンツバキの品種、シシガシラです。濃いピンクの八重咲きで、ツバキのようですが花びらはサザンカのように一枚一枚地面に落ちています。カンツバキはツバキと名前が付きますがサザンカの品種、カンツバキ系です。サザンカの分類はツバキ科ツバキ属なので、ちょっとややこしいですね。
広く分布しているカンツバキは、横に広がるハイカンツバキ(這い寒椿)のシシガシラ(獅子頭)と、縦に伸びるタチカンツバキ(立ち寒椿)のカンジロウ(勘次郎)の二種が主とされています。他にも、ショウワノサカエ(昭和の栄)や、オトメサザンカ(乙女山茶花)、フジノミネ(富士の峰)などがカンツバキ系のサザンカです。
ツバキやサザンカは、古くから日本で親しまれてきた花だけに品種が多く、その識別は困難です。けれど、図鑑と睨み合ってその品種を特定できた時、これまで以上にその花に愛着を持って見ることが出来るような気がします。