そこにうるおい、そしてやすらぎ

植物の話

八重咲きの枝垂れ梅『呉服枝垂』

暖かい日が増えてくるにつれ、サザンカが散り、我が家ではそれに次いで枝垂れ梅がうつくしく咲き始めました。

この花は枝垂れ梅の中でも主要品種のひとつとして数えられる、クレハシダレ(ゴフクシダレ)です。サクラのような薄桃色ですが、よく見ると花の縁がうっすら白くなっているのがわかります。

呉服枝垂は、この漢字表記で「くれは」と読みます。呉服はその昔、呉の国の織物「くれはとり(呉はたおり)」と言われていました。この呉服(くれはとり)が略され、クレハと呼ばれているようです。現代ではゴフクと呼ばれるようになっている事から、この呉服枝垂を「ゴフクシダレ」と呼ぶ事もあります。

ウメは花を楽しむ花梅と、実の採取を目的とする実梅に分けられます。花梅はさらに三系九性に分類されます。この呉服枝垂は野梅系野梅性のウメで、原種に近く、花も葉も小ぶりですが薫り高いのが特徴です。枝はすらりとよく伸びて垂れ、目線の高さに差し出された梅の花を写真に収める人の姿を今年も多く見る事ができました。

関連記事

PAGE TOP