そこにうるおい、そしてやすらぎ

植物の話

紅いサングラス

先日 友人に「垣根でよく見る紅い葉の木はなに?」とたずねられ「紅かなめもち」と答えました。洋名は「レッドロビン」ですが……実は「紅さん」の子どもが「レッドちゃん」なのです。だから少し違う所もあります。

名前の由来は、この木で扇の要(かなめ)を作ったからと言われています。
古く平安時代には「ソバノキ」と呼ばれていました。理由は 密に咲く白い小花が蕎麦の花に似てるからだそうです。

田園調布

なぜ新芽の時だけ紅いのか? それは新芽がアントシアニン色素という紅いサングラスをかけているからです。まだ柔らかく弱い新芽が日焼けしないよう守っているんですね……。

「そばの木 しななき心地すれど 花の木ども散り果てて おしなべて緑になりにたる中に 時もわかず濃き紅葉のつやめきて 思ひもかけぬ青葉の中よりさし出でたる めづらし 」枕草子

紅かなめもちは、品のない感じがする。 花の木々が散り果てて 一面の新緑なのに、時もわきまえず(秋でもないのに色づいて)濃い紅葉が艶やっぽいから… でも 思いもかけぬ青葉の中の紅い葉は 目新しくて嫌いじゃないわ。

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